ステップアップ
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ターゲット疾患家族の虚血性心疾患家族の脳血管障害有害物質は、喫煙者が吸う「主流煙」より、受動喫煙で吸わされる「副流煙」のほうが多い。たばこを吸わない妻が、たばこを吸う夫を持つ場合、肺腺がんになるリスクが約2倍高まる。21健康ステップ・アップ0夫からの受動喫煙(ハザード比)2.50.52.01.01.5受動喫煙なしの家族の肺がん乳幼児突然死症候群副流煙主流煙副流煙の有害物質(主流煙を1とした場合)■ニコチン 2.8倍■一酸化炭素 4.7倍3.4倍■タール なし1.00夫が過去喫煙者1.50夫が喫煙者2.03出典:Kurahashi, N. et al.:Int J Cancer ドアを閉めた屋外で喫煙2.0倍室内で喫煙15倍ドアを開けた屋外で喫煙2.4倍換気扇の下で喫煙3.2倍たばこを吸わない家庭の子どもを1とした場合の尿中ニコチン量部屋の外でたばこを吸っても、ドアのすき間から煙が侵入したり、吐く息や服に残っている有害物質を介して受動喫煙が生じる。出典:Johansson A et al. Pediatrics 122:653, 20082004;113:e291-5たばこは周囲の人の健康も奪う主流煙より副流煙のほうが危険たばこの煙から家族を守る方法は禁煙だけ夫の喫煙が妻に及ぼす影響子どもが受ける受動喫煙の影響約2倍 受動喫煙の健康被害がとくに深刻なのが自宅です。換気扇の下やベランダでたばこを吸っている人もいますが、それでは受動喫煙は防げません。また、ベランダ喫煙が近隣の人に健康被害をもたらしている場合もあります。 改正健康増進法の施行で「屋内原則禁煙」となり、喫煙できる場所が減りました。そのため、屋外喫煙所や路上、自宅が数少ない喫煙場所になりますが、こうした場所でもたばこの煙は周囲の人に害を及ぼします。 望まない他人のたばこの煙を吸うことを受動喫煙といいます。日本では受動喫煙による肺がん、虚血性心疾患、脳血管障害、乳幼児突然死症候群で、年間1万5千人が死亡しています※。とくに女性の死亡数は男性の約2倍。これは男性のほうが女性より喫煙率が高く、男性からの受動喫煙が多いからだと考えられます。※厚生労働科学研究費補助金「たばこ対策の健康影響および経済影響の包括的評価に関する研究」平成27年度報告書受動喫煙の怖さを知ってきっぱり禁煙

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